ロボットで単純作業を代行するRPA vol.1
RPAとは?
RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の頭文字をとった略語で、AIやIoTとならぶIT用語のひとつです。
「AI」や「IoT」についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
RPAは事務系の職種、いわゆるホワイトカラーがおこなっている手作業の領域を専門のソフトウェア型ロボットが代行、自動化していく取り組みです。定型作業をロボットが補うことで、業務の効率化や人材不足の解消に役立つと注目されています。
RPAツールとは?
RPAを実現するためのツールをRPAツールと呼びます。人がパソコンの画面を見ながらおこなっている手作業をRPAツールに登録することで、自動処理が可能になります。すでに、さまざまなRPAソフトが開発されており、民間企業や自治体への導入が進んでいます。
〇代替できる事務作業
総務省では、RPAが適用可能な機能として以下の11点をあげています。下記に当てはまるデータ入力やメールの自動返信などの事務作業はRPAツールで代替できると考えられています。
①キーボードやマウスなど、パソコン画面操作の自動化
②ディスプレイ画面の文字、図形、色の判別
③別システムのアプリケーション間のデータの受け渡し
④社内システムと業務アプリケーションのデータ連携
⑤業種、職種などに合わせた柔軟なカスタマイズ
⑥条件分岐設定やAIなどによる適切なエラー処理と自動応答
⑦IDやパスワードなどの自動入力
⑧アプリケーションの起動や終了
⑨スケジュールの設定と自動実行
⑩蓄積されたデータの整理や分析
⑪プログラミングによらない業務手順の設定
※総務省 情報通信統計データベースより引用:https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html
〇メリット
RPAツールの最大のメリットは、生産性の向上です。ロボットは365日24時間稼働できるため、「人件費削減」「業務スピードアップ」などで圧倒的な利点があるのです。定められたルールに従い正確に機械的繰り返し作業を疲れ知らずにおこないながらヒューマンエラー=ミスが発生しません。単純作業をRPAツールに任せて人はより高度な仕事に時間を割り当てることが可能になるのです。人手不足でも効率をあげるために欠かせないツールとなりそうです。
〇デメリット
ただしRPAツールには「業務停止リスク」があります。電源やネット接続が遮断される災害やシステム障害が生じたときに、作業が止まってしまう可能性があります。おこなっていた作業データが消失することもリスクで、その場合には大きな損失となるでしょう。
情報漏洩の危険性もあります。RPAツールはあくまでコンピューター上で動作するソフトウェアです。不正にアクセスされたり、改ざんされたりする危険性もあります。導入する際にはこのようなデメリットもしっかり理解したうえで対策を練ることが必要です。