ロボットで単純作業を代行するRPA vol.2
RPAツールの種類
RPAツールには、クラウド型、オンプレミス型、開発型の3種類があります。
◯クラウド型
クラウド型とは、インターネット上のクラウドサービスにログインし、クラウド内での作業を自動化するタイプです。自動化できるのがWebブラウザ上での作業に限定されるケースもあります。メリットはコスト削減効果、ストレージの拡張性、オンライン環境さえあればどこでも使える利便性などがあげられます。被災時の業務継続といったリスク対策の側面もあります。
◯オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社のサーバやコンピュータにRPAソフトウェアをインストールして使用します。ある程度決められたルールベース、マクロ、スクリプトなどのようなテンプレートをもとに業務の自動化をおこないます。業務にあわせてのカスタマイズや環境構築をおこなうことが可能です。業務内容によってはマッチングが難しく本来の業務フローの変更が必要になるケースもあります。
◯開発型
開発型とは、要件定義の段階から個別に設計するタイプです。パッケージ型のツールではないため、オリジナルの環境やシステム、業務フローなどに合わせた開発ができます。ただし開発にかかる人員や時間が必要になるため、コストが高く導入までの期間も長くなります。
RPA導入の流れ
RPAツールの機能を最大限に活用するためには、事前の分析や下準備をしっかりおこなうことが重要です。そのために必要となる導入プロセスが以下の3項目だとされています。
1・業務プロセスの棚卸し
最初におこなうのは、RPAツールで代替できる業務とできない業務を振り分けることです。RPAツールで処理したい作業内容の見直しをおこなうことが重要です。ポイントとなるのはRPAツールがやらせる業務の標準化です。人が作業すると作業者毎に業務プロセスが異なっていることも珍しくないため、作業プロセスを統一化する必要があります。RPAツールに決まった手順で作業を繰り返しさせるための統一の手順や方法をルーチンとして確定する必要があります。最短の作業手順を発見するために、作業工程をフローチャートにするなどの棚卸しをおこないマニュアル化を進めることが下準備です。
2・仮導入でスモールスタート
作業工程のマニュアル化が完了したら、RPAツールを選定します。最初は導入するツールをひとつに絞らず、いくつかのツールを仮導入でテスト運転してみましょう。ツールによっては、業務プロセスのなかでどうしても自動化できない作業が存在する場合もあります。複数のツールを試してみて、RPAツールと人がおこなう業務のテスト検証をおこなうことがポイントです。検証結果からフィードバックして、作業工程を変えることでRPAツールが使えるようになることもあります。
3・本格的な導入へ
仮導入で作業に最適なRPAツールを選定することができたら、本格的な導入へと移行していきます。導入後もRPAツールを使っている現場のヒアリングは欠かさずおこない、随時改善していくことも重要です。
効率化だけじゃない利点
RPAツールを導入することの利点は、作業自体の効率化だけではありません。現状の作業工程を見直すことにより、ルールの矛盾や無駄な作業、ミスリスクの発見ができ、生産性の向上につながります。さらに同じような考え方をもって他の業務の見直しをおこなえば組織全体の生産性向上へとつながるのです。